こんな方におすすめ
- 災害時に車中泊で避難する可能性がある人
- 軽自動車・軽バンを防災に活用したい人
- 防災用品を買いすぎて何が必要なのか分からなくなっている人
防災用品を調べ始めると、本当に多くの商品が出てきます。
大型ポータブル電源。
ソーラーパネル。
キャンプ用テーブル。
調理器具。
テント。
寝袋。
大量の保存食。
簡易シャワー。
防災バッグ。
「あった方が便利」と考えていくと、荷物は際限なく増えていきます。
しかし、軽自動車や軽バンで避難することを想定すると、すべてを積むことはできません。
前回の記事では、軽自動車には重量とスペースの両方に限界があることを紹介しました。
そこで今回は逆の考え方をします。
「何を積めるか」ではなく、「3日間なら何が本当に必要なのか」
です。
防災用品を増やしていくのではなく、一度すべてを削ってみる。
そのうえで、
絶対に必要。
できれば必要。
余裕があれば持っていく。
という順番で考えると、車中泊用の防災用品はかなり整理できます。
今回は災害発生後、車を使って3日程度避難することを想定して考えてみます。
1.最優先は「水・トイレ・睡眠」
車中泊というと、まず寝袋やポータブル電源を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、防災という視点で優先順位を付けるなら、最初に考えたいのはもっと基本的なものです。
水。
トイレ。
睡眠環境。
この3つです。
水については、一人1日3L程度の飲料水を一つの目安として考えることができます。
3日なら一人9L。
2人なら18L。
4人なら36Lになります。
4人分になると、水だけで約36kgです。
そのため大量の生活用水まで車に積もうとすると、すぐに重量が増えてしまいます。
まずは飲料水を優先し、生活用水については給水所なども利用する考え方が現実的です。
次に重要なのがトイレです。
食料は多少我慢できます。
しかしトイレは我慢し続けることができません。
災害時には公衆トイレや避難所のトイレが必ず使えるとは限りません。
そのため、携帯トイレや簡易トイレは車中泊防災では優先順位の高い装備です。
そして睡眠環境。
毛布だけでも眠れますが、車内の床が硬ければ十分に休めません。
特に軽バンの場合は、薄手のマットや折りたたみマットが一枚あるだけでも快適性は大きく変わります。
3日間を乗り切るなら、
まず「飲む・排泄する・眠る」を確保する。
ここから考えると、防災用品選びがかなりシンプルになります。
2.食料は「豪華さ」より調理不要を優先する
次に食料です。
災害用の車中泊だからといって、キャンプのような食事を準備する必要はありません。
むしろ重要なのは、
火を使わなくても食べられること
です。
例えば、
保存パン。
栄養補助食品。
缶詰。
レトルト食品。
ナッツ類。
クラッカー。
ゼリー飲料。
などです。
もちろんカセットコンロがあれば温かいものを食べることもできます。
しかし防災用品の優先順位を考えるなら、コンロがなくても食べられる食品をある程度準備しておいた方が安心です。
なぜなら、災害時には必ずしも安全に火を使えるとは限らないからです。
強風。
余震。
ガス漏れ。
車の周囲に人がいる。
こうした状況では、調理できない可能性もあります。
また、食事を豪華にしようとすると、
鍋。
フライパン。
皿。
カトラリー。
調味料。
洗浄用の水。
と必要な物が増えていきます。
3日程度なら、
「料理する」より「食べられるものを確保する」
という考え方の方が荷物を減らせます。
3.電源は巨大なものが絶対必要とは限らない
最近の防災用品で人気なのがポータブル電源です。
確かに便利です。
スマートフォン。
ライト。
扇風機。
パソコン。
小型家電。
さまざまな機器を動かすことができます。
しかし3日間の車中泊を想定するなら、必ずしも巨大なポータブル電源が必要とは限りません。
まず考えたいのは、
何に電気を使うのか
です。
スマートフォンだけなら、大容量のモバイルバッテリーでも対応できます。
ライトについても乾電池式や充電式があります。
一方、扇風機や電気毛布などを長時間使うのであれば、ポータブル電源の必要性は高くなります。
つまり、
「防災だからポータブル電源を買う」
のではなく、
「何Wの機器を何時間使うのか」
から逆算した方がよいでしょう。
大型ポータブル電源は便利ですが、
重い。
場所を取る。
価格も高い。
というデメリットがあります。
軽自動車で3日間避難するだけなら、
スマートフォン充電。
照明。
最低限の情報収集。
この3つを確保できれば十分という人もいるでしょう。
防災用品は、大きければ安心というわけではありません。
4.車中泊では「暑さ・寒さ対策」を軽視しない
車中泊で意外と重要なのが温度です。
車は住宅ほど断熱されていません。
夏場は急激に暑くなります。
冬場は外気温の影響を受けてかなり冷えます。
そのため、防災用品を考えるときは季節も重要です。
夏なら、
扇風機。
遮光用品。
網戸。
水分。
タオル。
冬なら、
寝袋。
毛布。
防寒着。
断熱マット。
カイロ。
などが必要になります。
ここで注意したいのがエンジンです。
「暑ければエアコンをつけたまま寝ればいい」
「寒ければ暖房を使えばいい」
と考える人もいるかもしれません。
しかし災害時には燃料を補給できない可能性があります。
さらに周囲の状況によっては長時間のアイドリングが適さない場合もあります。
だからこそ、
エンジンを使わなくてもある程度過ごせる装備
を持っておくことが重要です。
特に3日間という短期避難なら、巨大な設備を持ち込むより、季節に合わせた衣類や寝具を充実させる方が効率的な場合があります。
5.簡易トイレは「人数×回数」で考える
防災用品の中でも、個人的に軽視しない方がよいと思うのが簡易トイレです。
「数個持っていれば大丈夫」
ではなく、回数で考えます。
例えば一人が1日5回使用すると仮定すると、
3日で15回。
2人なら30回。
4人なら60回。
になります。
もちろん個人差がありますが、「思った以上に必要」ということが分かります。
簡易トイレは比較的軽く、収納スペースもそれほど大きくありません。
そのため、車に積む防災用品としては費用対効果が高いものです。
さらに、
トイレットペーパー。
ウェットティッシュ。
消臭袋。
ゴミ袋。
手指消毒用品。
などもセットで考えます。
食料や電源ばかりに目が向きがちですが、
衛生環境を維持できるか
は3日間の避難生活では非常に重要です。
6.救急用品と「普段飲んでいるもの」を忘れない
防災セットには絆創膏や包帯などが入っていることが多いですが、本当に重要なのは各自で必要なものです。
例えば、
普段服用している薬。
眼鏡。
コンタクト用品。
マスク。
持病に関係する用品。
乳幼児用品。
生理用品。
などです。
これらはコンビニやホームセンターで簡単に代用できない可能性があります。
災害用防災バッグというと、全員共通の商品をそろえたくなります。
しかし実際には、
「その人にしか必要ないもの」の方が重要な場合があります。
さらに車中泊では狭い空間で過ごすため、ウェットティッシュやゴミ袋などの衛生用品もあると便利です。
3日間入浴できなくても、多くの場合は何とかなります。
しかし手や顔を拭けるだけでも快適性は大きく変わります。
7.3日なら「なくても困らない物」もかなりある
ここで逆に考えてみます。
防災用品として紹介される物の中でも、3日間程度なら優先順位を下げられるものがあります。
例えば、
大型テーブル。
複数の椅子。
大量の食器。
本格的な調理器具。
大型クーラーボックス。
大型ソーラーパネル。
大量の着替え。
これらはあれば便利です。
しかしスペースが限られる軽自動車では、必須とは限りません。
例えばテーブルがなくても、収納ボックスの上を使えます。
食器も使い捨てや食品の容器をそのまま利用できます。
着替えも3日程度なら最低限で対応できます。
キャンプ用品を防災に流用するのは非常に有効ですが、
キャンプを快適にする装備と、災害を乗り切る装備は同じではありません。
ここを分けて考えると、荷物をかなり減らすことができます。
8.3日分なら、この順番で積む
軽バンや軽自動車へ防災用品を積むなら、私は次のような優先順位で考えます。
まず、
水。
簡易トイレ。
食料。
救急・常備用品。
次に、
寝袋または毛布。
マット。
ライト。
モバイルバッテリー。
衛生用品。
その後に、
ポータブル電源。
テント。
調理用品。
椅子やテーブル。
と追加していきます。
この順番なら、途中で荷室がいっぱいになっても、生命維持に近いものはある程度確保できます。
反対に、最初に大型テントやアウトドア用品を積んでしまうと、本当に必要な水やトイレ用品を入れるスペースがなくなる可能性があります。
防災用の積載では、
便利な物から積むのではなく、必要な物から積む。
これが基本です。
まとめ
車中泊で3日間避難すると考えると、必要な荷物は意外とシンプルです。
最優先するのは、
水。
トイレ。
睡眠。
食料。
最低限の電源。
衛生用品。
救急用品。
です。
逆に、
大型テーブル。
豪華な調理器具。
大量の食器。
過剰なアウトドア用品。
などは、3日間であれば優先順位を下げることができます。
防災用品を準備すると、
「あれも必要」
「これもあった方が安心」
と荷物が増えていきます。
しかし軽自動車のスペースには限界があります。
重要なのは、
持っている物の数ではなく、困る順番を考えることです。
喉が渇く。
トイレに行きたい。
眠れない。
スマートフォンの電池がなくなる。
体調が悪くなる。
この順番を想像すると、本当に必要な装備が見えてきます。
そして車中泊防災では、単に荷物を準備するだけではなく、一度実際に車へ積んでみることも重要です。
寝るスペースは残るか。
運転の邪魔にならないか。
必要な物を取り出せるか。
重量物が動かないか。
実際に試してみると、不要な物と不足している物がよく分かります。
3日間の防災は、
「全部持っていく」のではなく、「3日間をつなぐために必要な物だけ持っていく」
という考え方が現実的です。
そして軽バンを活用するなら、
車+防災用品+必要に応じて大型テント
という組み合わせにすることで、車中泊だけに頼らない避難方法も考えられます。