こんな方におすすめ
- 避難所へ行かず自宅で生活する可能性がある人
- 1週間分の備蓄量が分からない人
- 在宅避難の具体的な流れを知りたい人
災害が起きたら、
「避難所へ行く」
と思っている人は多いでしょう。
しかし、災害が起きたからといって全員が避難所で生活するわけではありません。
家が大きく壊れていない。
火災の危険がない。
浸水や土砂災害の危険もない。
このような場合、自宅で生活を続ける「在宅避難」という選択肢があります。
内閣府も、大規模災害時には避難所の混雑が想定されるため、住宅被害が軽微な人について在宅避難を進める考え方を示しています。
ただし、
家にいれば普段通り生活できる
という意味ではありません。
電気。
水道。
ガス。
通信。
物流。
これらが止まった状態で1週間生活する可能性があります。
内閣府は、食料や飲料水について最低3日分、できれば1週間分の備蓄が望ましいとしています。
今回は、実際に大きな地震などが起きたと仮定して、
在宅避難の1週間をシミュレーションします。
1. 0日目|在宅避難を決める前に「家が安全か」を確認する
大きな災害が起きた直後、
「家にいる方が楽だから在宅避難しよう」
とすぐ決めるのは危険です。
最初に確認するのは、
この家に残っても安全か
です。
建物が傾いている。
柱が大きく損傷している。
ガス臭がする。
火災が近づいている。
津波や洪水の危険区域にいる。
土砂災害の危険がある。
こうした場合は、自宅に残るべきではありません。
内閣府の防災資料でも、自宅にとどまる場合は、家の傾きや柱の破損、水道管・ガス管の損傷などを確認し、
危険がある場合は避難所など安全な場所へ移るよう示しています。
在宅避難は、
避難所へ行きたくないから選ぶ。
というものではありません。
自宅が安全だから選べる方法
です。
まず家族の安全確認。
火災確認。
建物確認。
避難情報確認。
ここまで行います。
次にライフラインです。
電気。
水。
ガス。
どれが止まっているのか。
ここを確認します。
地震後は、通電火災にも注意が必要です。
感震ブレーカーなどの対策も普段から考えておく必要があります。内閣府は、大規模地震時の電気火災対策の重要性を示しています。
そして、家に残ると決めたら、
水。
食料。
携帯トイレ。
ライト。
スマートフォン電源。
を確認します。
0日目は生活を快適にする日ではありません。
今夜を安全に越えられる状態を作る日
です。
2.1〜2日目|冷蔵庫の食品と「水を使わない生活」を優先する
災害初日から2日目。
この時期はまだ行政や物流も混乱している可能性があります。
支援がすぐ届くとは考えない方が安全です。
農林水産省も、災害時には支援物資が3日以上届かない可能性や、物流停止によって1週間食品が入手できないことを想定し、
家庭備蓄を推奨しています。
この段階で最初に使いたいのが、
冷蔵庫内の食品です。
停電している場合は、先ほどの記事と同じように最初は扉を開けません。
その後、傷みやすい食品から計画的に食べます。
次に冷凍庫。
そして常温備蓄。
この順番です。
一方で、さらに重要なのが水です。
災害直後は、
いつ復旧するか分かりません。
だから最初から水を大量に使わないことが重要です。
食器はラップを敷いて使う。
ウェットティッシュを使う。
携帯トイレを使う。
調理器具を減らす。
こうした工夫で生活用水を節約します。
特にトイレです。
断水時に普段と同じように水を流す生活を続ければ、飲料用に確保していた水まで使う可能性があります。
在宅避難では、
水を集めることだけでなく、水を使わない仕組みを作る
ことが重要です。
そしてこの時期は、
無理に料理へこだわらない。
加熱不要の食品。
缶詰。
パン。
エナジーバー。
レトルト。
こうしたものを使います。
まだ先は長いからです。
3.3〜4日目|「備蓄生活」から「支援情報を取りに行く生活」へ変える
3日目以降になると、生活のフェーズが少し変わります。
最初の混乱は落ち着いてきても、
水が減る。
食料が減る。
スマートフォンの電池も減る。
ゴミが増える。
という問題が出てきます。
この時期から重要になるのが、
地域の情報
です。
給水所はどこか。
支援物資はいつ来るか。
避難所で在宅避難者も物資を受け取れるか。
充電場所はあるか。
入浴支援はあるか。
つまり、
在宅避難=自分だけで全部耐える。
ではありません。
自宅で寝る。
しかし必要な物資や情報は地域の支援拠点から得る。
こういう形になります。
だから普段から、
指定避難所。
給水拠点。
防災無線。
自治体アプリ。
地域の掲示場所。
を知っておくことが重要です。
この時期には精神的な疲れも出てきます。
停電。
暗さ。
情報不足。
風呂に入れない。
普段の生活ができない。
こうした状態が続くからです。
だから3〜4日目は、
必要物資だけでなく、
生活リズムを保つこと
も重要です。
昼に動く。
夜は休む。
食事時間を決める。
スマホをずっと見続けない。
家族で役割を分ける。
こうしたことが長期化への対策になります。
4.5〜6日目|食料より先に「衛生」と「疲労」が問題になる
5日目を過ぎると、
水と食料だけあれば何とかなる。
という考えでは厳しくなってきます。
生活ごみ。
使用済み携帯トイレ。
汗。
体臭。
歯磨き。
着替え。
こうした衛生問題が積み上がります。
特に暑い季節は深刻です。
冷房がない。
扇風機も使えない。
水を自由に使えない。
こうした状態では、体力が大きく消耗します。
在宅避難の備蓄では、
食料と水だけでなく、
ウェットティッシュ。
ドライシャンプー。
体拭きシート。
マスク。
ゴミ袋。
携帯トイレ。
生理用品。
トイレットペーパー。
こうした物も重要です。
また、持病がある人は薬です。
1週間以上の在宅避難では、
薬がなくなる問題もあります。
内閣府も非常持ち出し品として常備薬などを挙げています。
そして家族の中に、
乳幼児。
高齢者。
介護が必要な人。
食物アレルギーの人。
医療機器を使う人。
がいる場合、一般的な防災備蓄だけでは不十分です。
5〜6日目は、
「まだ食べ物があるから大丈夫」
ではありません。
衛生と健康を維持できているか
を確認する時期です。
5.7日目|「1週間耐えた」で終わらず、備蓄を再計算する
1週間が経過しました。
電気や水道が復旧している地域もあるでしょう。
一方で、大規模災害では復旧がさらに長引く可能性があります。
そこで7日目にやりたいのが、
残量確認
です。
水はあと何L。
食料は何食。
ガスボンベは何本。
携帯トイレは何回分。
電池。
薬。
ここを数えます。
災害時に不安なのは、
「何となく減っている」
状態です。
数字にすれば、
あと何日持つか。
何を優先して取りに行くか。
判断しやすくなります。
また、実際に1週間生活した経験は、次の防災準備に非常に役立ちます。
水が足りなかった。
カセットボンベが多すぎた。
甘い物が欲しかった。
野菜が不足した。
携帯トイレが足りなかった。
モバイルバッテリーが不足した。
こうした気付きが出ます。
本当の防災備蓄は、
一度買って終了。
ではありません。
実際に使えるかを想像して修正するもの
です。
もしまだ災害が続いているなら、支援情報を確認しながら次の1週間へ備えます。
在宅避難は、自宅で耐えるだけではありません。
自宅を拠点にしながら、地域支援とつながり続ける生活です。
まとめ|在宅避難は「避難しない」のではなく「自宅を避難場所にする」
在宅避難という言葉を見ると、
避難所へ行かないこと。
と思いがちです。
しかし本質は少し違います。
安全な自宅を生活拠点として使うこと
です。
建物が危険なら避難する。
自宅が安全なら残る。
そのうえで、
水。
食料。
トイレ。
電源。
衛生。
情報。
を1週間維持します。
避難所へ行かないからこそ、家庭の備蓄が重要です。
まずは、
1週間家から買い物へ行けなくても生活できるか。
一度、自宅でシミュレーションしてみてください。
そこで足りない物が、本当に必要な防災用品です。