車中泊

災害や停電に強い!車中泊で生き延びる方法|海外帰国と離島生活のリアル体験談

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こんな方におすすめ

  • 災害時や停電時に「どう生きるか」をリアルに考えておきたい人
  • 家だけに頼らない、生きる柔軟さを身につけたい人
  • 車中泊を通じて“自分だけの安心空間”を作りたい人

もし“家が使えなくなった”らどうする?

私たちは毎日、蛇口をひねれば水が出て、スイッチを押せば電気が点き、ボタン一つでお湯が出る世界に生きています。
この“当たり前”がどれほどありがたいかは、失って初めて気づくものです。
僕自身も、これまでの人生で2度、インフラが完全に止まるという状況を経験しました。

1回目は海外からの帰国直後、何も開通していない部屋に入居した夜。
2回目は離島での生活中、最終便の船を逃して帰宅できなかった夜。

どちらも「車中泊」という選択肢が頭をよぎり、そして実際に“生き延びる手段”として心の支えになりました。
この記事では、そんな僕の体験を通して、「車中泊が持つ現代人のための防災的・心理的な価値」についてお話しします。


帰国直後の「電気も水もない部屋」で感じたこと

8年前の夏、僕はベトナムでの事業を一旦終え、日本へ急遽帰国しました。
予定では数週間後の帰国でしたが、ビジネス上のトラブルで突如決定。
そのため、帰国しても住む場所を探す時間がなく、当時のビジネスパートナーが手配してくれたレオパレスに直行しました。

空港からの車の中で、「とりあえず住む場所は確保してある」と言われて安心していたのを覚えています。
しかし、夜遅くに到着してみると、現実はまったく違いました。
鍵を開けて部屋に入ると、真っ暗。
スイッチを押しても灯りはつかず、水道をひねっても水は出ない。ガスの元栓を開けても反応なし。

一瞬、「ブレーカーが落ちているのか?」と思い確認しましたが、違いました。
単に、電気・水道・ガス、すべてが未契約だったのです。

その瞬間、頭の中が真っ白になりました。
海外からの帰国で時差ボケ、疲労もピーク。シャワーも浴びたい。
でも何もできない。食べ物もない。
仕方なく、夜遅くに近くのコンビニに行ってパンと水を買い、暗い部屋でスマホのライトだけで食べた夜を、今でも忘れられません。

この出来事で痛感したのは、「住まい=安心」ではないということ。
どれだけ家が立派でも、電気・ガス・水がなければただの箱です。
当時、もし車を持っていたら、少なくとも明るい場所に移動できたし、食事も取りやすく、最悪車内で眠ることもできたでしょう。
“車=移動できる家”という考え方が、そこで自分の中に生まれました。

翌日には自力で全て開通作業を行い、ようやく生活を取り戻しましたが、あの“孤独な暗闇”の夜は、今でも教訓として残っています。
そして、「車があるだけで、人間はここまで選択肢が広がるのか」という実感が、後の車中泊の考え方に大きく影響しました。


離島での“帰れない夜”をどう過ごしたか

次の体験は、離島での生活中に訪れました。
その島は、フェリーが唯一の交通手段。最終便は夕方7時前に出航します。
この便を逃したら、もうその日は帰れない。
ホテルも少なく、タクシーもない。つまり、“島に渡れない=家に帰れない”という環境でした。

最初のうちは時間を気にして生活していましたが、仕事が立て込んだり、人と会っているうちに船を逃す日も増えました。
そうなると自然に、「もう今日は車で寝よう」と割り切るようになったんです。

夏の夜、窓を少し開けて外の虫の音を聞きながら寝る。
冬の夜はブランケットを被って、シートを倒して身体を丸める。
その不便さの中に、なぜか“自由”を感じました。

車中泊の最大の魅力は「自分のペースを取り戻せること」。
誰にも気を遣わず、好きなタイミングで眠り、起き、移動できる。
それは、狭い空間なのに不思議と“心の余白”を感じられる時間でした。

ただし、問題もあります。
特に夏は、汗をかいてもすぐにシャワーが浴びられない。
僕自身、何度も頭がかゆくなり、背中に小さな湿疹ができたこともありました。
そんなとき、偶然見つけた銭湯の存在が、まさに“救い”でした。

湯気の立ちこめる浴室で、久しぶりに湯船に浸かった瞬間。
全身がじんわり温まり、頭がスッと軽くなっていく。
「人間、湯に浸かるだけで、こんなにも生き返るのか」と心の底から感じた瞬間でした。

車中泊を語るうえで「寝る場所」ばかりが注目されがちですが、実は“入浴できる環境”こそが長期的な快適さを左右します。
車中泊を快適に続けるなら、「銭湯」「温泉」「道の駅シャワー」をセットで考えることが大切です。
僕にとっては、それが“第二のインフラ”でした。


インフラと車中泊の“心理的つながり”

この二つの経験を通して僕が強く感じたのは、「車中泊は逃げ場ではなく、“生きる力を取り戻す時間”である」ということです。

家にいると、どんなにストレスがあっても「帰れば何とかなる」と思いがちです。
しかし、それが一瞬で奪われたとき、人はどうなるのか。
その不安を埋めるのが、車中泊という“もう一つの拠点”です。

車の中には、電気(バッテリー)、冷暖房、寝るスペース、そして移動の自由があります。
これらがあるだけで、人間の心理的安定度は驚くほど変わります。
災害時、停電が続いても、エンジンをかければ電源が取れる。
スマホを充電し、情報を得ることができる。
小さなコンロと水タンクがあれば、簡単な料理も可能。
「自分で何とかできる」という感覚が、人の不安を大きく和らげてくれるのです。

僕はこの“車=もう一つの生活拠点”という考え方を、防災やメンタルケアの観点からも重視しています。
不測の事態に備えるだけでなく、心が疲れたときにも、車に乗って遠くの景色を見に行く。
それだけで、心がリセットされる。
現代社会の中で、車中泊は「最小限の環境で自分を整える方法」でもあると思います。


🧭 まとめ:車中泊は“生きるための選択肢”

車中泊は単なる旅のスタイルでも、節約の手段でもありません。
それは、「どんな状況でも自分で生きる力を持つ」という生き方の象徴です。
家があってもなくても、電気が通っていなくても、「自分の力で何とかなる」という感覚。
それが、自立の第一歩です。

現代の便利さの裏で、僕たちはいつの間にか「自分で生きる力」を手放しています。
車中泊は、それを取り戻すきっかけになる。
不安定な時代だからこそ、自由と安心を両立できる“モバイルな生き方”を持っておく価値は、確かにあります。

 

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