こんな方におすすめ
- マンションや高層住宅に住んでいる方
- 停電時のエレベーター停止に不安がある方
- 災害時に自宅で生活を続けたい方
大きな地震が発生した後、自宅の建物に大きな損傷がなければ、そのまま生活できると考える方もいるかもしれません。
しかし、マンションでは建物が無事でも、電気や水道などの設備が停止することで、普段の生活が難しくなる場合があります。
特に高層階の住民にとって、エレベーターの停止は深刻な問題です。
例えば、10階以上に住んでいる場合、飲料水や食料を買いに行くだけでも階段を何度も上り下りする必要があります。
また、建物によっては停電によって給水設備が停止し、水道が使えなくなる場合もあります。
今回は、マンションの停電によって発生する生活上の問題と、在宅避難を続けるための準備について解説します。
1. 停電するとエレベーターだけでなく水道も止まる?
マンションで停電が発生した場合、最初に思い浮かぶのは照明や家電製品が使えなくなることではないでしょうか。
しかし、建物の設備によっては、停電の影響がそれだけにとどまらない場合があります。
例えば、エレベーターです。
多くのマンションでは電気でエレベーターを動かしているため、停電時には利用できなくなる可能性があります。
非常用電源が設置されている建物でも、利用できる時間や運転できる台数には制限がある場合があります。
さらに、給水設備にも注意が必要です。
マンションによっては、ポンプを使用して上階へ水を供給しています。
このような建物では、停電によってポンプが停止すると、水道本管からの供給が続いていても住戸
で水が出なくなる場合があります。
また、共用部分の照明、オートロック、防犯カメラ、通信設備なども停電の影響を受けることがあります。
ただし、すべてのマンションが同じ設備を使用しているわけではありません。
そのため、建物の給水方法や非常用電源の有無を事前に確認しておくことが重要です。
私なら、まず管理組合や管理会社に、停電時にどの設備がどの程度利用できるのか確認します。
特に高層階で生活している場合には、エレベーターと給水設備の停止を前提に備える必要があります。
マンションの停電対策では、照明やスマートフォンだけでなく、建物全体の設備がどのように動いているかを
理解することが大切です。
2. 高層階の在宅避難では飲料水の運搬が大きな負担になる
大規模災害の後、建物が安全で生活を継続できる場合には、在宅避難が選択肢になります。
在宅避難とは、避難所へ移動せず、自宅で避難生活を送ることです。
ただし、高層階のマンションでは、エレベーターが停止した状態で生活を続けることが大きな負担になる場合があります。
例えば、10階に住んでいる方が、地上階で飲料水を受け取ったとしましょう。
2リットルのペットボトル6本入りの箱であれば、水だけで約12kgあります。
その水を階段で10階まで運ぶことは、決して簡単な作業ではありません。
高齢者や小さな子どものいる家庭、体調に不安のある方にとっては、さらに負担が大きくなるでしょう。
そのため、高層階の家庭では、災害が発生した後に水を確保するだけでなく、普段から住戸内に備蓄しておくことが重要になります。
また、水は飲用だけでなく、簡単な調理や衛生管理にも必要です。
一方、生活用水については、飲料水とは別に確保する方法も考える必要があります。
ただし、排水管が損傷している可能性がある場合には、生活用水があってもトイレへ流してよいとは限りません。
また、飲料水や食料をまとめて備蓄する際には、家具の転倒や棚の落下にも注意が必要です。
重い水の箱を高い場所に積み上げると、地震の揺れで落下する危険があります。
私は、備蓄品は量だけでなく、安全に保管できる場所まで考えるべきだと思います。
さらに、非常階段の場所や通行方法も事前に確認しておくとよいでしょう。
普段エレベーターだけを利用していると、非常階段がどこにあるのか知らない場合もあります。
高層階の防災では、物資を持っていることと、その物資を災害後に安全に利用できることを分けて考える必要があります。
3. 停電時の冷蔵庫・スマートフォン・調理家電をどうする?
停電が発生すると、冷蔵庫や電子レンジ、電気調理器などが使用できなくなる場合があります。
特に冷蔵庫は、停電が長引くと食品の安全性に影響します。
例えば、冷蔵庫に生鮮食品や乳製品などを多く保存している場合です。
停電後は、冷蔵庫の扉を必要以上に開けず、庫内の温度が上がらないようにすることが重要です。
また、食品の種類、保存温度、停電時間によっては、食べずに廃棄する判断が必要になります。
見た目や臭いに異常がないからといって、安全とは限りません。
そのため、停電が長引く可能性がある場合は、食品の保存状態を慎重に確認する必要があります。
一方、非常食については、電気や水を使用せずに食べられるものが役立ちます。
例えば、開封するだけで食べられる食品や、常温保存できる食品です。
普段食べている食品を少し多めに購入し、古いものから使って補充するローリングストックも一つの方法です。
また、スマートフォンは災害情報の確認や家族との連絡に重要です。
そのため、モバイルバッテリーや充電手段を用意しておくことも考えられます。
ただし、非常用の電源を持っているだけで安心するのではなく、実際にどの機器へ給電できるのか
確認しておく必要があります。
例えば、小型のモバイルバッテリーでスマートフォンを充電できても、消費電力の大きい調理家電を
動かせるとは限りません。
さらに、携帯発電機を室内やベランダなどで使用することには、一酸化炭素中毒などの重大な危険があります。
発電機は取扱説明書や安全上の注意を守り、排ガスが建物内へ入り込まないよう十分に注意する必要もあります。
停電対策では、家電製品をすべて動かそうとするのではなく、災害時に本当に必要な機能を優先することが重要です。
4. 在宅避難を続けるべきか、避難所へ行くべきか
災害が発生したとき、必ず避難所へ行かなければならないと考える方もいるかもしれません。
しかし、自宅が安全で生活を継続できる場合には、在宅避難も選択肢になります。
一方、建物が損傷していたり、火災や浸水などの危険が迫っていたりする場合には、
自宅にとどまることが適切とは限りません。
ここで重要なのは、避難所へ行くかどうかを単純に停電の有無だけで判断しないことです。
例えば、建物自体は安全でも、エレベーターが長期間停止し、高層階での生活が難しくなる場合があります。
また、水道やトイレが使えず、衛生状態を維持できない場合にも、別の避難先を検討する必要があります。
さらに、医療機器や介助が必要な方がいる家庭では、ライフラインの停止が健康や生命に直接影響する可能性があります。
そのため、家庭の状況に合わせて、在宅避難を継続できる条件を整理しておくことが大切です。
例えば、飲料水や食料が十分にあるか、トイレを安全に使用できるか、建物から安全に避難できるかなどです。
また、災害時には自治体の避難情報や建物管理者からの案内を確認する必要があります。
ハザードマップで自宅周辺の浸水や土砂災害などの危険性を把握しておくことも重要です。
在宅避難は、どのような状況でも自宅にとどまるという意味ではありません。
安全が確保され、生活を続けられる場合に選択する避難方法です。
マンション防災で重要なのは、在宅避難を前提に備えながら、危険な場合には迷わず別の安全な場所へ移動できるよう準備することです。
まとめ
マンションでは、建物が大きな被害を受けていなくても、停電によってエレベーターや給水設備などが停止する場合があります。
特に高層階では、飲料水や食料の運搬が大きな負担になる可能性があります。
そのため、普段から住戸内に必要な物資を備蓄し、停電時の設備の状態や非常階段を確認しておくことが重要です。
また、自宅が安全で生活を続けられる場合には在宅避難が選択肢になりますが、建物の損傷や生活環境の悪化によっては
避難が必要になることもあります。
マンションの防災は、建物の強さだけでなく、停電後も生活を維持できるかという視点で考える必要があります。